名称未設定(仮)

名称未設定(仮)

神話や歴史のことや、行ってきた博物館や美術館のことを主に書くブログ。(雑記もあり。)

ケルト神話について5(神話サイクル3)

 

はじめに

前回はダーナ神族の主要キャラクターをご紹介しました。

前回の記事
ケルト神話 カテゴリーの記事一覧

今回は

について書いてみたいと思います。

 

 

フォモール族

f:id:meishomisettei:20170619224548p:plain

フォモール族について

ここまでアイルランドに様々な種族が、入れ替わり、立ち替わりやってきたことを書いてきましたが、彼らはそれ以前の太古からアイルランドに住む巨人族です。

醜悪で邪悪な怪物のイメージで描かれることが多く、ギリシャ神話のティタン族や、ゲルマン神話巨人族と類似して、神々と敵対する勢力として描かれます。

 

フォモール族の王バロール

フォモール族の王で、「魔眼のバロール」の異名を持つ。
(この名前を聞いたことのある人も多いのでは?)

彼の魔眼は、普段は閉じていて、視線で相手を殺すことができると言われています。
瞼が重いので、開けるためには大男が4人がかりで鉤爪を使って開けるのだとか。
これはもともとの能力ではなく、彼が子供の頃、彼の父のドルイド達が毒の魔法を準備していた時に、煙が目に入ってしまってこの能力を得たとあります。

話が逸れますが、「バロールの魔眼」というキーワードで「ARMS」の「キース・バイオレッド」を思い出しました。
「ARMS」は僕の中では結構な名作で、名言も多いんだよなぁ。

彼は預言者に「孫によって殺される」と預言されてまして、孫であり、ダーナ神族側の光の神ルー(前回の記事で取り上げています)を恐れ、いろんな策を講じましたが、最終的にはルーに倒され預言は的中します。
が、倒され方はソースによってマチマチでして、統一性はありません。

 

神族と魔族の血を引く王ブレス

ブレスはフォモール族の父と、ダーナ神族の母の間に生まれます。

ヌァザから王の座を譲られますが、彼の政策は、ダーナ神族に苛烈な税を課したり、過酷な肉体労働を強制するものでした。

前回紹介した、戦いの神オグマには、息子で詩人のコープルがいました。
このコープルが「ブレスは王の器ではない」という風刺をしました。
この風刺がアイルランド初の風刺詩となります。

ケルト文化ではドルイドが重要な役割を持ちます。
ドルイドとは、司祭、政治的指導、詩人たちを指します。
ケルトでは文字で伝えるということはしない、口伝の文化だったので、後世に伝えることができる詩人はとても重要な役割とされていました。

詩人はとても大きな力を持っていたと言われ、詩人の言うことを聞いて、自らの首を差し出す王もいたと言われる程です。

「ペンは剣よりも強し」という言葉がありますが、言葉や情報の伝達は、暴力などの直接的な力よりも影響力があったんでしょう。

話は戻りまして、後にヌァザが腕を取り戻すと、ヌァザはブレスから王の座を取り返します。

そのことに不満を持ったブレスは、フォモール族の後ろ盾を得て、ダーナ神族と争うことになります。(第2次マグ・トゥレドの戦い)

 

 

戦いの女神たち

f:id:meishomisettei:20170619225429p:plain

モリガン

アイルランド神話の戦いの女神の中では、とても有名な神様です。
ヌァザやダグザと交わる形で、ダーナ神族の戦いを支援します。

また、もっと後の物語で登場する、クー・フーリンとも絡み、物語に登場します。

今回は取り上げませんが、バズヴァ、ヴァハという戦いの女神と三人一組の神様として扱われることが多く、ケルトでは3という数字を神聖視していて、三位一体的な神様が多くあります。

 

 

ダーナ神族が持つ4つの秘宝

f:id:meishomisettei:20170619232900p:plain

ダーナ神族には伝わる4つの秘宝があります。
うち、3つは前回軽く紹介をしました。

  • ヌァザの持つ「剣」
  • ダグザの持つ「鍋」
  • ルーの持つ「槍」

です。

 

残す一つですが「石」です。

なんか統一感がないな!!笑

今回はもう少し詳しく紹介します。

 

ヌァザの剣

ダーナ神族の王ヌァザが持つ剣です。
ひとたび振るわれれば誰も逃げられない、必中の剣、ということですが、この剣にまつわる伝説は見つかりませんでした。

フォモール族との戦いでも、ヌァザはバロールに敗北してますし、その前のフィル・ヴォルグ族との戦いでも負けて片腕を失うし、なんだかあんまり強くない?気がします。

 

ダグザの大釜

既に武器じゃないんかい!って思いました。笑
無尽蔵に食べ物を与えるという能力を持ちます。

ケルトの伝説においては大釜は、再生と復活を司るものとしてアイルランドの神話以外にも出てくるようです。

ウェールズ地方には「死んだ兵士を一晩煮ると、口はきけないが兵士が生き返る」っていう大釜の形をした「ゾンビ製造機」の伝説があります。笑

 

ルーの槍

ダーナ神族勝利に導いた光の神ルーは、槍の使い手だったとされています。
そんなルーの持つ槍は「勝利を約束する」とされていて、フォモール族との戦いにおいて貢献します。

勝利を約束する槍」ってなんかズルイ。笑

北欧神話アース神族の長、オーディンと魔法の槍を持っていて、同じヨーロッパということで類似を感じます。

 

こちらの石は「正当な王が触れた時だけ叫び声をあげる」らしいです。
叫ぶ石って。
ダントツでヘボイ。笑

ウェールズ地方に伝わる「アーサー王物語」では「正式な王と認められる人間のみが引き抜くことができる剣」として「エクスカリバー」が登場しますが、それの劣化版と思っていいのかな?笑

 

以上で、神話サイクルの主たる登場人物(神)と秘宝をご紹介しました。

 

 

次回以降

次回はやっと本題に戻り、フィル・ヴォルグ族がアイルランドを支配した以降の物語に入っていきます。

では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました。