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<新訳>アーサー王物語 読んでまとめてみた。(結構長文)

先日プラっとブックオフに行きました。
100円コーナーでふと見かけなんとなく買ってみた、この「<新訳>アーサー王物語」。
正直「新訳」どころか根本的にアーサーの王のことは中世の伝説の王様ってくらいしか知らない。
あとは「円卓の騎士」とか「エクスカリバー」とかファンタジーRPG御用達の単語は盛りだくさんってイメージくらい。
 

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カバーイラストも天野喜孝さんで、早速FF感を出しています。
 
 
■目次
01 マーリン
02 アーサー(一)
03 アーサー(二)
04 ガーウェイン
05 ちぢんだ腕のカラドック
06 湖のラーンスロット
07 荷馬車の冒険
08 シャロットの乙女
09 王妃ギネヴィアの危機
10 トリストラムとイソウド(一)
11 トリストラムとイソウド(二)
12 トリストラムとラーンスロットの闘い
13 円卓
14 パラミーディーズ
15 トリストラム
16 パーシヴァル
17 聖杯(一)
18 聖杯(二)
19 聖杯(三)
20 アグラヴェインの裏切り
21 アーサーの死
 
目次を見た時点で「アーサー王の存在感が薄いw」と思いました。
物語の大半もアーサー王を周辺の人々が彩るエピソードとなっています。
 
01-16が各登場人物のエピソード。
17-19が聖杯探求編。
20-21はラーンスロットとの対立、部下の裏切り、そしてアーサーの最期。
そんな流れです。
 
 
■目次を見て、聞き覚えもある名前が数多くあり〼。
こうやって目次を見ると、アーサー王物語に登場する人物は、ゲームや漫画などいろんな作品で使われています。
以下、主な登場人物です。
 
◎マーリン
七つの大罪」に出てくる 暴食の罪 マーリン
七つの大罪は「アーサー王物語」が元ネタ。
漫画でも魔術師ですが、「アーサー王物語」でも同じです。

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アーサー王物語上のマーリン
インキュバスの父と人間の母の間に生まれた子供。(こちらでは男)
アーサー王の親(ウーゼル)の頃から物語に登場し、顧問官として過ごす。
・王に忠実に仕えるが、いたずら好き。
・ウーゼル王(アーサーの父)の時代に「円卓の騎士」制度を作る。
・恋人は妖精のヴィヴィアン
・妖精ヴィヴィアンの裏切りによって、人間の前から姿を消してしまう。
 
 
◎アーサー
タイトルのとおり、物語の主人公。
マーリンと同じく、七つの大罪にも出てきます。

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ってゆーかいろんなゲームや作品に出てますね。
 
アーサー王物語上のアーサー
ブリテン王ウーゼル王の息子
(母親は部下ゴロイスの妻イグレーヌ、略奪的な結婚)
・父ウーゼル死亡時は15歳で、王位継承には多数の反対意見があった。
 不思議な石に刺さった剣エクスカリバーを引き抜くことで皆の賛同を得て、王に。
 ※ちなみにエクスカリバーは物語の途中で折れて失われますが、次にアーサー王に使われることになった剣もエクスカリバーと呼ばれます。
・マーリンの計画により、カーマライドの王レオデグランスの娘ギネヴィアと結婚。
 (しかし、その後ギネヴィアと円卓の騎士ラーンスロットが不倫の関係となる)
・その後国内の様々な勢力を制圧し、王国を建設。
・その後国外進出。
 ノルウェー、パリ、ノンマンデー、アンデガヴィアなどを征服し、親族や仕える貴族たちに与える。
 やがてローマ皇帝から貢物の要求がくるが、アーサーはそれを拒絶、戦争になり勝利。
 こうしてブリテンの繁栄は頂点を極める。
・物語の後半「聖杯探求編」の後、(アグラヴェインとモウドレッドの謀らいで)ギネヴィアとラーンスロットの不倫を知り、ラーンスロットと対立。
・ラーンスロットと争っている間に、モウドレッドが謀反を起こす。辛くもアーサーが勝利するが、その時の負傷が元になり息絶える。
 ※傷を癒やすためにアヴァロンに向かった。今なお回復途上でいつの日か再び現れブリテンを支配する・・・ などの含みがあります。
・王妃ギネヴィアはその後、尼僧となり一生を過ごす。
 
 
◎ガーウェイン
アーサー王の甥っ子にあたります。
七つの大罪の作者が描いたゴルフ漫画ライジングインパクト」の主人公にもこの名が使われています。
※他にも舞台がキャメロット学院、登場人物のランスロット、トリスタンなどなど・・・
 鈴木真央先生はこの頃からアーサー王物語が好きなんでしょうね。

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アーサー王物語上のガーヴェイン
アーサー王の甥っ子
 アーサーの姉モルガンとロト(アーサーがノルウェーを征服後、アーサーからノルウェー王を授けられる)の間の子供です。
・円卓の騎士の中でも最も名高い騎士の一人。
 武力だけでなく、人格的にも優れ、人々の尊敬を集めます。
・アーサーが敵の罠にはまり、結果醜い女に部下を一人夫として与えることになってしまった。
 その時、自ら申し出たのがガーウェインだ。
 ※結婚後、その醜い女の呪い(魔法)が解け、実は超カワイコちゃんだったってオチ。
・後にマーリンの指示で「聖杯」を探す旅に出かけるが、騎士ギャラハド(ラーンスロットの息子)によって打倒されて断念し、キャメロットに帰還。
・聖杯探求編後、ラーンスロットと対立、聖人から不思議な力を授かって、ラーンスロットと戦うが敗れる。
・ラーンスロットとの戦いで重症を負い、傷が癒えぬままモウドレッドとの合戦に挑み、更に重症になり息を引き取る。
 
 
◎ラーンスロット
ブルターニュの王バン(七つの大罪に出ますね)と妻ヘレン(エレイン)(これも七つの大罪に出ますね)
の息子です。
※段々とアーサー王物語の紹介ではなく、鈴木真央先生の紹介ページになってきたw

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七つの大罪のエレインとバン
 
ラーンスロットの名もやはり鈴木真央先生の「ライジングインパクト」に出ます。

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アーサー王物語上のラーンスロット
・18歳まで妖精の教育を受ける。
 ラーンスロットを育てたのは実はマーリンの恋人である妖精ヴィヴィアンなんですが、
 彼女は「湖の姫」という名で有名でした、そのことからラーンスロットは「湖のラーンスロット」と呼ばれます。
・ヴィヴィアンは18歳になったラーンスロットをアーサー王の元に連れていき、騎士にする。
 ※この頃からアーサー王の妻ギネヴィアとラーンスロットは互いに惹かれ合うようになります。
・騎士としてとても優れていて、ジャウスト(馬上の槍試合)やトーナメントでは負け知らず。
 人々の尊敬を集める。
・従兄弟のライオネルと冒険に出かける。
 道中でタークイン(アーサー王の不倶戴天の敵)に勝利する、様々な人々を助けるなどして帰郷し更に人々の尊敬を集める。
・後に「聖杯」を求めて旅に出るが、過去の罪により聖なる御物に近づけぬことを知る。
 森の隠者に過去の罪を懺悔をし、二度とギネヴィアとは関係を持たぬよう誓う。
・その後2つのライオンが守る門を通り、ある城に入る。
 その城のある部屋に「聖杯」があり入ろうとすると、「入ってはいけない」と声が聞える。
 それでも入ろうとすると火を混じえたような息が彼を打ち瀕死の状態となる。
 ここで彼の聖杯の探求は終わりとなり、ラーンスロット自身もそれに満足し、キャメロットに帰還する。
・聖杯探求からの帰還後は、たてた誓いを忘れ再びギネヴィアと関係を持つが、これをきっかけにアーサー王、ガーウェインと対立し争いに発展。
・↑の争いはローマ教皇の使いによって、1年間の和睦となり、一旦終結。その後は王国を立ち退き、自分の故郷に戻る。
・1年度、再びアーサー王とガーウェインと争うこととなるが、アーサー王側でモウドレッドの謀反が起こり中断される。
・アーサー死後、尼僧となったギネヴィアと出会い別れを誓う。
・その後は法衣に身を包み、祈祷と精進の日々を送り他界する。
 
 
◎トリストラム
この人もやはり鈴木真央先生の「ライジングインパクト」に出ます。
※トリストラムはトリスタンとも読みます。

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同世代のゴルファーの中でも最強と言われるほどズバ抜けて優秀なプレーヤーです。
 
アーサー王物語上のトリストラム
物語中の登場頻度も高く、実はコイツが主役なんじゃないか?と思ってますw
・レオノイズ国の王メリアダスとイザベラの子
・メリアダスの後妻に命を狙われ、従者のゴウヴァネイルと共にフランスに亡命。
・フランスで騎士として成長する。
・その後すったもんだあり、様々な国を追放されたり、恋愛したり、アーサー王の危機を救ったり、トーナメントで栄誉を勝ち取ったり。
 とりあえず何かあればすぐに冒険に出かける。
・イソウド(美しいイソウド)との恋愛が結構切ない。
・イソウドとの恋敵でもあるパラミーディーズとのエピソードが結構アツい。
・物語中で人違いでラーンスロットと戦うことになり、死闘を繰り広げるが、誤解が解けると互いに栄誉を授け合う。
 その後、「兜をぬいで、たがいに何度も口づけをしあいました。」って描写があるんだけど、
 作者はこの時代から「腐女子」の存在を認識していたのでしょうか?w
 その後はラーンスロットとアーサー王の元を訪れ、円卓の騎士になった。
・武力的な強さもラーンスロットと同等、もしくはそれ以上の描写があり、ランク的には
 トリストラム = ラーンスロット > ガーウェイン > アーサー王 > 他の人達
 ってカンジじゃないかなと思います。
・後にトリストラムはホウエル王の娘イソウド(白い手のイソウド、美しいイソウドとは別人)と結婚する。
・その後、闘いの中で息を引き取る。
 その時、トリストラムも死を知った美しいイソウドも悲しみのあまり息を引き取る。
 
 
◎ギャラハド(とパーシヴァルとボールス)
主要人物の一人なんですが、正直印象は薄いですw
物語後半の聖杯を探す旅の主役は、ギャラハド、パーシヴァル、ボールスの3人で、彼らによって聖杯は発見されます。
聖杯発見後、ギャラハドはアリマタヤのヨセフ(新約聖書に登場する聖人)とちぎりを結び、その魂は聖杯とともに天上に運ばれます。
ギャラハドの死後、パーシヴァルは厳しい信仰の生活をしてこの世を去ります。
その後、残されたボールスはアーサー王の待つキャメロットに帰還します。
 
▼以下Wikipediaからの抜粋。
・ガラハッドは、ランスロット卿とペレス王の娘エレインの子供。
・エレインは魔法によってランスロット卿を騙して結婚し、ガラハッドを産むが、正気を取り戻したランスロット卿にエレインは捨てられ、
 子供のガラハッドは修道院に預けられて育てられる。
・幼い時に、マーリンは「彼は父であるランスロット卿を凌ぐ武勇を身につけ、聖杯を発見する。」と予言した。
 ラーンスロットの息子でアーサー王物語の後半の要である聖杯探求編の主役的人物。
 
 
■感想
300ページ超えで結構なボリュームもあり、まとめながら読むと丸1日かかりました。
読み物としても面白くて、今回読んだことで今後RPGのゲームとか漫画で彼らの名前が出た時により一層面白みが深くなるんじゃあないでしょうかね。
主要人物の大半が女性関係で身を滅ぼしているような気がしますが(笑)、まぁこの手の物語はこのパターンが多いですね。
全般とおして読みやすくて、アーサー王伝説に触れるエントリー本としてはぴったりなんじゃないかな。
 
この日他何冊か古めの本を買ったのですが、この手の英雄譚的なヤツでは「ニーベルンゲンの歌(ジークフリートの伝説)」とかが有名なので、いつか読みたいです。