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神話や歴史のことや、行ってきた博物館や美術館のことを主に書くブログ。(雑記もあり。)

「デスマスク」岡田温史 (岩波新書) 読んでみた。

先日会社の新年会でした。
カラオケで聖闘士星矢を歌ったんです。
 
聖闘士星矢が流行ってた頃、
蟹座の僕はゴールド聖闘士のデスマスクがゲスい小物臭ハンパないキャラだったので、悲しかったのを思い出しました。

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「あじゃぱアーッ!」ぢゃねぇよww
 
水瓶座とか獅子座が羨ましかったもんです。
(これ、結構共感する人多いと思うんだけど、どうですか?)
 
 
ところで、デスマスクってキャラクターの名前だけじゃなくて、死に顔を形に留めた物としての「デスマスク」ってありますよね。
有名どころはナポレオンとか織田信長デスマスクとか。
 
 
ってことで、急にデスマスクに興味が出てきました。
 
デスマスクも自画像の一種みたいなもんじゃないの?とか。
背景の宗教的考えとか死生観、そもそもライフマスクと何が違うねん?とか。
 
そう考えるとマスクって結構オカルトな匂いするな。
とか思って、古本屋で「デスマスク」ってそのまんまの本を買ってきましたw

デスマスク 岡田温司(岩波新書)

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デスマスク」って響きから
「邪悪でエキセントリックなもの」
という印象を持ちがちですが、実際読んでみるとそんなことはなく、実用的で「自然に発生した風習なのかな。」と思えるものでした。
 
今の我々の身近なものだと、遺影に近いものがあるのかな?
 
なんとなくメメント・モリの思想にも通じるところがありまして、特に古代の王族や、英雄など一定の地位以上の人たちは常に死の危険はあったでしょうから、自分がいつかは死ぬこと、そして死んだ後のことは意識してたんじゃないかな。
 
 
まぁそんなカンジのデスマスク
ちょっと各章の概要なんかを紹介してみます。
 
 
 

各章の概要

基本的にはデスマスクや彫像、肖像画の紹介(写真)と解説で構成されてます。
 
写真は小さいながらも、数はそこそこあるのでパラパラめくってるだけでも面白かったです。

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1章「古代ローマの先祖崇拝」

古代ローマでは先祖の肖像は「イマギネス」と呼ばれて、葬儀や葬列に使われていました。
 
デスマスクの時代はこのあたりから始まります。
 
 
 

2章「王の二つの身体」

ロンドンのウェストミンスター大聖堂に、名君エリザベス女王の等身大の蝋人形がある。
 
頭部が特にリアルで、というのもこれはデスマスクからとられているからである。
 
ってカンジで、デスマスクに基づいて王家の人々は蝋人形が制作されて、しばらくの間「まるで生きているように」展示されていました。
 
この章では王家の人々のデスマスクや、蝋人形がどのように扱われたかを紹介しています。
 
 
 

3章「教皇の身体」

2章では「王家の人々」についてでしたが、この章では信仰世界の頂点に立つ教皇の身体はどのように扱われたかを紹介しています。
 
 
 

4章「ルネサンスの蝋人形」

ルネサンス期のイタリアで作成された要人たちのデスマスク、蝋人形の紹介とともに、美術品としてデスマスクについての解説です。
 
 
 

5章「ジャンセニストの死面」

フランスの数学者パスカルデスマスクの紹介から始まります。
 
彼が身を寄せたキリスト教の一派ジャンセニストのポール・ロワイヤル修道院ではデスマスクをとる習慣がありました。
 
指導者や要人のデスマスクや肖像について紹介しています。
 
 
 

6章「ギロチンとフランス革命

マダム・タッソー(軽く下に紹介します)についての紹介から始まり、彼女がフランス革命の中で制作したデスマスク・蝋人形について紹介しています。
 
僕的にはこの章が一番読み応えありました。
 
 
マダム・タッソーについて
[本名]アンヌ・マリー・グロスホルツ(1761-1850)
 
マリー・アントワネットルイ16世フランス革命によって犠牲となった人々のデスマスク・蝋人形制作で有名な蝋人形作家。
 
彼女の名前を冠した蝋人形館が世界各地にあって、東京にも。
もともとはギロチンの犠牲となった首が中心だったが、今は映画スターや政治家が中心。
 
 
 
 

7章「近代の天才崇拝」

ナポレオンのデスマスクの紹介から始まります。
 
デスマスクが天才崇拝に係わり、まるで「聖遺物」のような扱いを受けたり、
一方ではデスマスクフェティシズムの対象になることは不健康で病的であり、死体愛好を助長するものとして批判対象にも。
 
という、デスマスクの二面性について紹介しています。
 
 
 

8章「名もなきセーヌの娘」

セーヌ川は19世紀後半に、犯罪・自殺の舞台として「死者が眠る墓地」のようなものとなっていた。
 
この「名もなきセーヌの少女」は1880年セーヌ川で引き揚げられた自殺女性からとられたものである。
 
タイトルどおり、モデルの少女については何もわかっていなくて、そうした事情が当時の芸術家たちの想像力を掻き立てた。
 
 

読み終わってみて 

読み終わってからはデスマスクってよりマダム・タッソー東京に行きたくなってきた。
機会があったら行ってみたいと思います。