名称未設定(仮)

名称未設定(仮)

神話や歴史のことや、行ってきた博物館や美術館のことを主に書くブログ。(雑記もあり。)

ケルト神話について

ケルト」って言葉はよくききます。
でも「古い民族で、ローマ帝国に制圧された。ってイメージ」くらいで、あんまりよく知らないんですね。

先日、本屋に寄った時になんとなく、
ケルト神話と中世騎士物語 ~「他界」への旅と冒険~』( 田中 仁彦 著)
って本を買ってみました。

が、「ケルト神話を体系的に紹介する。」ってよりは、ケルト神話や古い伝承を切り口に、ケルト人達の宗教観とか死生観を考察する。」
といった内容のものでした。

そもそも僕はケルト神話のことをよく知りません。
順番的に先にケルト神話を紹介している入門的な本を探して読もう。
と思ったんですが、パラパラ~って読んでると、いくつか日本の童話と似たものがあって面白いな~。って思ったので紹介してみます。

その前に軽くケルト人について書いておきます。

ケルト人について

ヨーロッパ東方のドナウ河上流を故郷にする、騎馬民族

鉄器の導入も早く勇敢だったため、ローマ帝国出現以前、ヨーロッパ世界の大半の覇権を握っていた。

BC3世紀末期からはローマに圧倒さたり、後のゲルマン民族の大移動の波を受けたりして、西に追いやられる。

BC53年にはローマの軍門に下り、宗教はキリスト教が普及、文化もどんどんローマと同化していく。

ケルトの文化や教えは口承で伝えられたので、宗教や文化の殆どは失われてしまったが、ローマに征服されずケルトの文化が残った土地もあり、古伝承や出土品からある程度の手がかりは残っている。 

 

浦島太郎に似た話 ブランの航海

フェヴァル王の息子ブランはある日、王宮に現れた異国の女性に「エヴナの国」に誘われる。

エヴナの国には、苦悩・悲嘆・死や病気といったものがなく、常に春で、老いることも死ぬこともない何百もの着飾った女性が住むという。

ブランは9人の乗組員を引き連れ、エヴナの国へと出航する。

エヴナについたブラン達は、国をあげて歓迎され、夢のような時間が過ぎた。

が、やがてホームシックになった乗組員のネフターンが「アイルランドに帰りたい。」と言い出し、エヴナの国の女王の引き止めにも関わらずブラン達は帰国することになった。

アイルランドについたブラン達。

エヴナの国の女王は「決して陸地に足を触れてはならない」と忠告していたが、ネフターンはつい船から飛び降り、地面に降り立った。

が、次の瞬間ネフターンは灰となってしまう。

これを見たブラン一行は上陸を断念。

浜辺にいる人達に、王の息子ブランのことを知らないかと訪ねたが、そのことによって既に何百年もの年月が経っていたことを知る。 

ブランは浜辺にいる人達に、自分達の物語を話し、その後は何処となく去って行った。

(アイルランド叙事詩

 

こぶとり爺さんに似た話 (タイトルはわかりません。)

ケルトの神話には妖精や小人が出てくるものが多い。

昔、ある所に、背中に大きなこぶのある仕立て屋が二人いた。

一人はお人好しで、もう一人は怒りっぽくケチで欲張りだった。

ある晩、お人好しの仕立て屋が仕事先から帰る時、100人以上の小人が「月曜、火曜、水曜」と歌っているのを見かけた。

小人たちは「月曜、火曜、水曜」を繰り返すだけだったので、仕立て屋は「木曜、金曜。」と足してはどうかと提案したところ、小人たちはたいそう喜んだ。

小人たちの頭がお礼をあげようというが、仕立て屋はお礼なんか要らない。と断る。

そこで、小人の頭は「この金の詰まった袋か、背中のこぶを取り除くか」と提案をしてきた。

仕立て屋は「こぶを取り除く」を選んだ。

すると小人たちは彼に飛びかかり、何度も空中に投げ上げた。

そして、彼が地面に落ちた時、背中のこぶは消えていた。

翌日、お人好しの仕立て屋は、欲張りの仕立て屋にそのことを話す。

それを聞いた欲張りの仕立て屋は、小人たちに出くわしたという丘に向かった。

彼は金の詰まった袋をもらおうと思っていた。

小人たちに出会い、欲張りの仕立て屋は歌の続きを提案する。

その提案内容はちっともよくはなかったが、小人の頭は「褒美が欲しくてきたんだろう、選ばせてやろうじゃないか。」という。

そこで、仕立て屋は「それでは彼が残した方の褒美をください。」という。

すると小人たちは彼に飛びかかり、何度も空中に投げ上げた。

そして、彼が地面に落ちた時、背中のこぶは二つになっていた。

 

浦島太郎もこぶとりじいさんも、教訓を含んだ話だと思うんですが、同じような教えって多くの宗教にもあると思うので、探したら他にも似たような話はありそうですね。

またそういった面白い話を見つけたら、書いてみたいと思います。